家事三昧

やり慣れたことをやるのは楽だ。

強引に仕事納めを決め込んで
どっぷり主婦業に専念している私。
体力的には大変きつい日々だが
精神的にはかなり楽だと実感している。

なんというか・・迷いがない。
台所仕事はもう身体が覚えてしまっているし
掃除だって、いやだいやだと思いながらも
手足を動かしていればいつかは終わる。
皿に手足を動かせば動かした分だけ
目に見えて部屋は片付き料理ができあがっていく。

主婦業は評価されないから自己実現が難しい・・・
なんてよく言われることであるが
私に限ってはこれは当てはまらないとつくづく思う。
そもそもそうでなければ延々と専業主婦なんて
やっていられるはずがないのだ。

腕組みしながらきれいになった部屋を眺めて頷く。
できあがった黒豆やきんとんをうっとりと眺める。
しゃがみ込んだついでにワックスかけたてで
床に映る顔ににんまりとする・・
詰まるところ、私はそうやって生きてきた。
これらの作業は私をひどく安心させてくれる。
そして家族はそんな私に感謝を寄せてくれる。

ありがとう、お疲れ様。

そんな言葉とともに、細い腕でやんわりと
あるいは厳つい手でがしがしと肩を揉んでくれる。
家族にとって、こうやって家事をこなす私がデフォルト。
それがわかっているのに
いったい何をやってるんだろうなあ・・と
洗面台の鏡を磨きながらため息をつく。

やり慣れたことだけをやっている日々は安心に満ちている。
けれど、それでは新しい風景を見ることができない。
新しい何かに出会いたければ日常から飛び出して
躓いたり転んだりすることも必要。
だからといって痛い目ばかりの日々はそれこそ辛すぎる。
だからこそ書き物に疲れれば家事に逃げ込み
刺激がほしくなるとパソコンをカチャカチャ弄る。

結局強欲なんだな私は・・・と思うほかない。
あれもこれも欲しいならば
あれこれ痛い目を見るのも当然。
それなりの覚悟というのが必要なのだろう。
まあ来年はもうちょっと巧くバランスが取れれば良いな・・
そんなことをぼんやりと考えながら
昆布出汁に鰹節など沈める年の瀬である。




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コメント 2

昆布出汁に鰹節など沈める、キイワードですね。
(何をこめんとしているのだか？)
by 足立sunny (2013-12-31 17:02) 

足立sunnyさん

いやキーワードでも何でもなくて
ごく普通の出汁の取り方なんですが･･（苦笑）
2014年は料理の作り方ばっかり考える年に
なりそうで、今からちょっと怯えております。
でも出汁は全ての基本ですから、ここはしっかり
丁寧に取っていきたいと思います（意味不明）
by 秋川滝美 (2014-01-01 09:42)