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舞台『放課後の厨房男子』終演 [舞台化]

舞台『放課後の厨房男子』を慈しんでくださった皆様へ


限りなき感謝を……

10月30日に開演してから昨日の大千穐楽まで
ひたすらひたすらひたすら祈り続けた。
フェロモンならぬ祈りのパワーゼロ状態だ。
とにかく無事でありますように
揃って笑顔で終えられますように。
キャストもスタッフもお客様もみんなみんな……
正直、あと二週間は油断ならないけれど
感染拡大の中、大千穐楽を迎えられたことは奇跡に近い。
この舞台を守ってくれた全ての方々に感謝するばかりである。

今回で舞台『放課後の厨房男子』は終了となる。
名残を惜しんでくださるお客様の声は本当に嬉しいし
キャストもスタッフもこのカンパニーに深い思い入れを抱いている。
それでも、それでも、あえて言おうと思う。


以下 卒業によせる言葉


ここで終えると決めたのであれば
振り向かず出て行きなさい。
どれほど外の風が強くても冷たくても
胸を張り、頭を上げて。

三年かけてもゴボウのささがきひとつできなかったり
ことわざの覚え間違いに苦しすぎる言い訳をしたり
未だに創設者の名前を覚えていなかったり(号泣)
送り出していいのか悩むところだが
他はもっと頭を抱えるレベルだから致し方ない。
なにせ総力戦で偏差値を激落させてくれたのだから(爆)

母校はいつも暖かく、賑やかで心地いい場所だった。
でも、世界は広い。
もっともっと楽しい場所、素晴らしい仲間に出会えるかもしれない。
そんな機会を失ってはいけない。

この絆はちっとやそっとじゃ壊れない。
本当に困ったとき、傷ついたときは
駆けつけて寄り添ってくれるだろう。
だからこそ古巣に甘えちゃいけない。

飛んでいけ。
ここで培った力を存分に生かして
新しい世界を拓きなさい。
そしていつかエールと笑顔の奥に隠された
本当の想いを汲み取れる人間になって欲しいと願う。

十五人しかいないように見えて数万人いる末那高生諸君
卒業おめでとう。



*十五人=三年間の総キャスト数(追記 ミコちゃん先生Jr.含む/笑)






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近刊書影&More [小説のこと]

面倒くさい性格だけど……

明日できることを今日するな。
大書して壁に貼りたくなるほど
仕事を残すのが嫌いだ。
締め切りが過ぎてからが勝負というのが物書きの性らしいけれど
そうした意味では私はまったく物書きではない。
この性格のおかげでいろいろな人を巻き込んでは
迷惑をかけ倒してきた。
それでも今年だけは、自分の性格に感謝せずにいられなかった。

『きよのお江戸料理日記』は初めて書いた、
そして、秋川が絶対書かないジャンル第二位の時代物である。
(ちなみに第一位はミステリー。私の頭はひどく悪いのでトリックなど
生み出せるわけがない)
書かないジャンルと明言していたにもかかわらず
書いてしまったのはまさしく気の迷い……ではなく
偏に「やればできるはず!」と諦めなかった編集担当さんの根性ゆえ(笑)
そして着手して三日で絶望した。
なにかを書こうとするたびに立ちふさがる無知の壁。
あまりにも私はものを知らない……と。
その後、怒濤の勢いで資料を集め出した。
いっぽうで行ける限りの博物館と資料館に出かけ
写真を撮ったり、パンフレットを買い込んだり……
それはそれは忙しい日々だったが
予想もしなかった緊急事態宣言の中、なんとか書き上げられたのは
おいおいやればいいや……ではなく、とにかく資料が先、と
集めまくったおかげだろう。

『ひとり旅日和 縁結び!』についても似たようなものだ。
ここ二、三年狂ったように旅をした。
旅関係の話を書き始めるずっとずっと前から
二ヶ月に一度は旅に出ていたし
『ひとり旅日和』を書くことになってからは月に一度どころか
二週に一度旅に出たこともあった。
きっと続刊が出る、でなくても他の話に生かせるはずと信じ
無理やり機会をつくって全国を駆け回っていた。
おかげで取材にまったく出られない状況下であっても
なんとか続刊を形にすることができた。
もしも私が『明日やれることは今日するな』という性格だったら
この二作をこの時期に刊行することはできなかっただろう。

やるべきことがある限り、のんびりできない。
我ながら本当に嫌な性格だと思っていたけれど
ちょっとだけ自分を許せた。
そんな嬉しい作品たち――
お見かけの際は、ああこれが……と笑っていただければ幸いだ。



お江戸料理日記 書影.jpg


縁結び!小サイズ.jpg



【『放課後の厨房男子 まかない飯とShall we dance!篇』のこと 】


 日経ホール、大阪IMPホールとも無事終了致しました。
 残すは紀伊國屋サザンシアターのみです。
 感染拡大の中、原作者としても戦々恐々の日々ですが
 なんとか無事に千穐楽を迎えることを願って止みません。
 厳しい状況の中、劇場に出かけるという選択をしてくださった方々
 劇場においても最大限の感染対策に努めておりますが
 どうか行き帰りまで含めてお気をつけください。
 劇場では、自分が観たい人を観たいタイミングで観られます。
 カメラはどうしても台詞を口にしている人を追いますが
 台詞なんてそっちのけで楽しいことをこっそりあるいは大っぴらに
 絶え間なく繰り広げまくるのが『厨房男子』です。
 私も一度拝見しましたが、相変わらずのはちゃめちゃぶり……(苦笑)
 あの楽しみは劇場ならでは、存分にお楽しみください。

 そして、今回は見送るという判断をされた方々、
 ぜひ配信をご覧ください。
 私も二度とも拝見しましたが、カメラワークが素晴らしく
 劇場後方席ではなかなか見られないイケメンたちの汗のきらめきまではっきり……
 (ただし、美女の汗は見られません。美女は汗なんてかかないしトイレも行きません。
 お腹は盛大に鳴らしますけど……)
 大阪配信については『#おうちで厨房男子』でTwitterのトレンド入りを果たし
 サザンシアターでも……と意気込んでいるようです。
 観劇を楽しみながらTwitterでつぶやけるのは配信ならでは。
 (もちろん劇場では御法度の大歓声もdancingもありです)
 みなさまなりの『厨房男子』をお楽しみください。
 劇場、配信とも、キャスト全員で力強く拳を突き上げ
 みなさまの笑顔と幸せを祈ってくれる姿に感動させられること請け合いです。

  なお、逆説的ではありますが
 『配信でもいいから観たい!』という方々の数が実績につながり
 『こっそり楽しいこと』をたくさん見せてくれた演者さんたちを支えます。
 『放課後の厨房男子』は今回でいったん終了となりますが、才能溢れる彼らのこと、
 これからも素晴らしい作品を生み出してくれるでしょう。
 舞台文化を応援するという意味でも、どうかよろしくお願いいたします。
 
<配信チケット販売>  2020年11月12日(木)12:00〜11月30日(月)13:59まで
             ※予定枚数に達し次第販売終了。
             ※ご購入タイミング、視聴開始タイミングに関わらず、
              11月30日(月)17:59以降は映像の再生はいただけません。
<配信期間>
           生配信:2020年11月28日(土)開場17:30 開演18:00
           アーカイブ(見逃し)配信:2020年11月30日(月)17:59まで
 
 詳細はこちらから →https://event.1242.com/special/kitchenboys/ticket.html#TOKYOSTREAMING


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