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猪瀬知事辞職 [ニュース]

あんなに強い武器を持ちながら・・・

ペンは剣より強し、という時代ではないのかもしれない。
どんなに筆力のある作家であっても
凶弾の前には無力であることは確かで
しかも何の怨恨もなくても通りすがりの犯罪で
命を落とすこともある時代なのだ。
どれほど巧みなペンであってもできることは
限られてしまうのかもしれない。

けれど、石原前知事、猪瀬知事をみていると
なぜこの人達が政治家を目指したのかわからなくなる。
どちらも作家としてとても素晴らしい才能を持ち
その作品が世に与えた影響は大きい。
(たとえ過去の偉業と言われても、である)
彼らがやろうとしたことは
作品を書いて発表するという手段では
成し得なかったのだろうか・・・

作家の仕事は文章を書くことである。
書いた文章で人の心を動かすことである。
その感情の好悪は関係ない。
肯定であろうと否定であろうとかまわない。
とにかく読んだ人間に何らかの感情を抱かせること
それこそが作家の本分だと思う。

世の中を変えていくのは一人の政治家ではない。
政治を変えるのは国民だ。
今の日本は、その国民が何もしないからこそ
こんな状態になっているのだと思う。
諦めて、どうでもいいと投げやりになっている国民に
それでは何も変わらない、と訴えることが必要。
腐った政治を曝き、国民に知らしめ
これではだめだと思わせることが重要だろう。

石原氏も猪瀬氏も優れた作家だった。
それならばいたずらに政治に手など出さずに
書き続けていればよかったのではないか。
一国民として政治のあり方を追求し続け
啓蒙活動を続けた方がよかった。
私にはそんな風に思えてならない。

そしてその一方で
社会の裏側を追求し続けている作家を
次々と政治の世界に引っ張り込む各政党は
もしかしたら、彼らを多忙に、あるいは失脚させ
最大の武器であるペンの力を奪うことにあるのではないか・・・
なんて穿ったことを思うのである。



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コメント 2

NONNONオヤジ

ぼくも常々感じてました。作家がなぜ政治家になろうとするのかと。
直接政治に関わるのではなく、作品の中で、社会の歪みや不正などを
暴き出せばいいのにと。どうしてなんでしょうね?
ちなみに「ペンは剣よりも強し」って言葉、ぼくも間違って覚えていましたが、
独裁的権力者は、武力を使わなくても、「死刑執行書」にペンで
サインするだけで、人の命などいとも簡単に奪える、という意味で、
「ペン(サイン)は剣(武力より強し」なのだそうですよ。
ぼくは、武力よりも文章の方が、より人の心を動かすことができるから、
「ペンは剣より強し」と思っていたんですけどね^^;。
by NONNONオヤジ (2013-12-20 21:56) 

秋川滝美

NONNONオヤジさん

作家は書いてこそだと思うんですけどね。
テレビに出たり、講演したり・・も本業をこなして
なおかつ余力があって・・というならわかるのですが
そっちに熱中するあまり、作品が全然書けない、という人
(昔のベストセラー作家とかにありがちですが)をみると
彼らは『書きたい』という気持ちを失ってしまったのかなあと
疑問に思います。

ペンは剣より強し、はNONNONオヤジさんが
間違って覚えたという解釈が一般的になっています。
調べてみたら出典はリットンの戯曲だと書いてありましたし
おそらく戯曲の中ではその意味で使われたのでしょうけれど
慶応大学がモットーとして目指すところは
やはり「言論の力は武力に勝る」なのだと私は思います。
by 秋川滝美 (2013-12-21 11:00) 

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