一気読み狙い

我に返らないでいただきたい……

物書きの端くれになって三年半が過ぎた。
けっこういろいろな本を出していただいたけれど
執筆スピードとしては商業作家の合格ラインに
達しているのではないかと思っている。
というよりも、もはや秋川の存在価値はそこにしかない
ぐらいな感じ……（涙）
要するに小学生の頃とまったく変わっていない。
筆の趣くままに書き殴ってEnd、である。

ただ書いていく上でひとつだけ気をつけていることがある。
それは、とにかく読みやすいことである。
私は元々大変性格が悪い上に，頭も悪い。
こういう人間の常として、誰かと対峙するときは
非常にシニカルかつ小難しい言葉を使いたがる。
幼少のみきり、それで失敗したことはいくらでもあるし
逆に「大人っぽくて、賢そう」と誤解されたこともある。
（誤解だということは誰よりも自分が知っている）
けれど、いくら難しそうな言葉を連ねたところで
書いている人間（＝私）の中身はすっからかんなのだから
読む方にしてみれば笑止千万であろう。
書く方にしたって重い鎧を着たままでは肩が凝るだけなのだ。

かくして秋川滝美の狙いはただひとつになった。
目指すは「あっという間に読める本」である。
書く方がずばばーーーと勢いで書いているのだから
読んでくださる方もどばばーーっと読み切っていただきたい。
途中で首を傾げて立ち止まることなく、
気がついたら最後のページに至っていた、が理想である。
馬鹿馬鹿しい，あり得ない、こんな奴いるか！　と思いながらも
最後までページをめくる手が止められない。
そのためには「はてこの言葉の意味は？」なんて立ち止まられては困るのだ。

このシンプル過ぎるほどシンプルな目標を掲げてから
私は随分楽になった。
書くものには中身がない、何も残らないと言われようが
あり得ないだろう！　と叱られようが
どれだけ細かくだめ出しされようが
気分は『最後まで読んでくれてありがとう』なのだ。
物書きとしては怠惰かも知れないし、向上心の欠片もない。
でも、きっとこれからも私は、そんな話を書いていくのだろう。
途中で投げ出すぐらいなら、最初から鍋敷きにしてくれー！！
なんて叫びながら……


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【刊行御礼】

いい加減な夜食４　無事刊行致しました。

表紙はこんな感じ。
俺様率いる原島家はますます賑やかです～
そういえばあいつらどうしてるかなーとお思いの方は
ちらりと覗いてやってくださいませ。





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コメント 7

一気読み！させられまくりです！＾＾
あとをひく　美味しいもののように箸が　否指がページを　
捲らずにいられなくなるんですよね！
今年は桜を見ることが出来ておりますか？
明日あたりは　きっと満開で今年のピークになりそうですね。＾＾✿
作品の登場人物様を　みなさんお連れになられて　ひと時だけでも花を楽しめますように！素敵な日曜日になりますように！☆
by ゆうのすけ (2016-04-02 19:32) 

とても読みやすいですよ、無理な難しい言葉が少なくて、リズムがありまして。

by 足立sunny (2016-04-03 20:23) 

一気読みさせていただいております。読み途中の、他の本を一旦脇においといて(笑)
推理小説だと「読者への挑戦状」なんかあったりして「むむ…」とじっくり読まさせられるものも有りますが。で、大抵爆死すると言う(泣)
ところで、某財閥宅にうってつけの新商品が出るようです。名前は「comi kuma」でKDDIから。ちょっと面白そうだな、と思いました。
by FSX (2016-04-05 21:49) 

一生懸命に書かれて、何度もゲラ直しをされたものを、ほんの
３～４時間で一気読みするのは申し訳ないくらいなのですが、
ぼくも皆さんと同じく、やはりそうなっちゃいますね～。
「読みやすいこと」は大事ですよね～。
ぼくの翻訳もそうありたいものですが、ときに、それを阻もうとする
妙に苦手な単語や表現が出て来るわけで、役立たずの辞書を前に、
溜息をついています……＾＾；。日々是精進です、ハイ。
by ＮＯＮＮＯＮオヤジ (2016-04-07 01:05) 

ゆうのすけさん

いつもありがとうございます。
そう言っていただけると安心します。
本当に嬉しいです。
今年の桜は随分長丁場だったおかげで
あっちで少し、こっちで少し、と楽しむことができました。
登場人物たちは置き去りでしたけれど……（笑）

足立sunnyさん

ありがとうございます。
読みやすい＝物足りないに陥らないように
これからも努力を続けていきたいと思っております！

FSXさん

ありがとうございます。
ただでさえ難しいことが多い世の中
私ぐらい、あまり考え込まないような話を書いていても
いいんじゃないかなーと思っております。
あ、comi kuma　、ググってみました。
面白そうな商品ですが、拙作の某使用人頭などは
触りたくもない商品のようです。
もちろん、私も黒い思想がダダ漏れになりそうで怖いです（苦笑）

NONNONオヤジさん

一気読みしていただくために何度も手を入れるのです。
一読で理解できる、引っかかりを作らない。
架空の物語に引き込むためにはそれが大事なんですよ。
ただ翻訳の場合は難しいですよね。
そもそも日本語にない概念がありますし……
言葉の壁はかく越え難し、と思います。

by 秋川滝美 (2016-04-13 10:20) 

お久しぶりでございます(深々)
大好きな夜食の４巻
発売日当日、未来書店に行き
うろうろ、うろうろ、うろうろ
探したけど・・・・無い

諦めて帰ろうか？迷ったあげく
店員さんに聞いたところ

店頭に、並べる前でした
と、深々と頭を下げられ

意気揚々と、買って帰って
読むまもなく、仕事疲れで爆睡

次の日が休みだったので

朝から、どばばばばぁ～～(^_^;)と
読み終えてしまいました

居酒屋も、少し前に買ったのですが

何しろ、読むたびに
お腹が空く(涙)

それと、まだ
祝言がと、そわそわしながら
読んでます。

只今、喫茶店で
珈琲タイムを過ごしてますが

その横で、Web小説の担当の方と
執筆したい人が、原稿のチェックを受けてますが

担当者が要求する事
理解できてるのか？

空返事って、なんとなく聞いてて
分かるんだけどな
by しんちゃん (2016-04-20 12:18) 

しんちゃん　さん

お元気そうでなによりです。
発送日と発売日の間に微妙なタイムラグがあるようで
全国の皆様にご面倒をおかけしております。
にもかかわらず拙作をご購入いただき誠にありがとうございました.
楽しんでいただけているとよろしいのですが……

にしてもweb小説担当者と執筆したい人……
これは改稿途中の編集者と作者と取ってよろしいのでしょうか？
となるとその空返事は確固たる主張の現れ
「俺様の完璧な原稿にちゃちゃいれんじゃねえ！」の可能性あり。
何でもかんでも言われるたびに「なるほど！！」なんて
即座に直してしまう事なかれ主義の作者としては
（←嘘。本当は編集さんが正しすぎて反論できない）
見習うべき姿勢かも知れません。（爆爆）
by 秋川滝美 (2016-04-23 10:48)